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【佐賀県唐津市】佐用姫像

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唐津市の「道の駅厳木」にある佐用姫像
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佐用姫は厳木町笹原地区の篠原の長者の娘で、たぐいまれな美人であったと伝えられています。宣化天皇二年(五三七)、朝廷の命を受けた大伴狭手彦朝鮮半島任那百済救援の途中、松浦の地で軍装を解き、しばしの休養と渡海の準備をしていたときに、佐用姫を見初め、やがて夫婦の契りを結びました。狭手彦が出発する日、たとえ短い間だったとはいえ狭手彦を心から愛するようになった佐用姫は、別れが悲しくて港まで後を追いました。そして、港を離れる軍船に、姫は背中から左右の肩にかけ長く垂らした「領布」を一心不乱に振り続けました。

万葉の歌人はその情景を

海原の沖行く船を帰れとか

 領布振らしけむ松浦佐用姫

と歌い、愛とロマンを伝えています。厳木町は、生誕の伝承地に近いこの地に佐用姫の領布を振る姿と一途な愛にならい、「自然とロマンの風のふるさと」づくりの象徴として像を建立いたしました。