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【佐賀県神埼市】仁比山神社

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佐賀県神埼市鎮座の仁比山神社
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仁比山神社の仁王門

 仁王門は、仁比山神社の入口に位置しているが、本来この地にあった仁比山護国寺の山門であったと考えられる。仁比山護国寺は、寺院由緒書きによると、天平元年(七二九)聖武天皇の勅願によって、僧行基が草創したといわれている。

 門に向かって右に阿形、左に吽形の仁王像が安置されている。仁比山神社は山の神・農業の神として祭られており、十二年に一度申年に大祭「御田舞」が奉納される。
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仁比山神社の仁王像

仁比山神社は、天平元年松尾明神を勧請したことに始まり、承和十年比叡山日吉山王社を分礼して合祀したと伝えられ古社です。神宮寺である仁比山護国寺は、千手観音を本尊とし、往時には三十六の僧坊がありました。

 この仁王像は、左に阿形・右に吽形の二躯一対です。

鎌倉時代の作で、樟材の一木造りで、彫眼・彩色を施しています。

阿形は、像高305・2㎝、吽形は、像高311・2㎝で、全体に動きの少ない直立した姿勢をとっています。二体ともに後補の補修が多く見られる。面貌の硬い表情は鎌倉時代後期の特徴を持っているが、構造や体勢、太い縄状の腹帯、蓑大腿部の浅く線的に整えられた衣文は古様をあらわしており、製作年代は平安時代までさかのぼる可能性があります。県下でも最大規模で最古の仁王像として非常に重要です。
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阿形
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吽形
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仁王像・大門(仁王門)普請の御寄進願い

 

 仁王像は江戸時代に他地区(場所不明)に鎮座していたのを奉納されたと伝えられています。仁王様は長い年月、雨風に耐え、人々を見守り、子育ての伝説などもいろいろとあり親しんできました。

この大きな力強い像は、県下はもとより、近県にもない立派な仁王様と断言しても過言ではないと思います。

 しかし、昨今は皆さまご承知のとおり、痛みが激しく早期修理を要します。

諸々の人達より「専門家(文化財修理)による修理が最適」と御助言を戴きました。

有志の方々と相談し準備を進めていますが、修理費、養生費、運賃又は、一部解体普請と多大の費用を要します。このような文化財を後世に残し守るのは、私たちに課せられた義務と考えます。

何卒、皆様方の温かなご理解を戴き、御協力下さいますようお願い申し上げます。
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神水(金剛水)

慈覚大師が国家安泰祈願の折、岩石に水なる梵字を彫まれし所、不可思議に清らかな水が湧き、土の中より是又、不思議にも日吉宮と書かれし石額面を掘り出したと言われ、古きより山王さんの水として親しまれ、内臓(胃腸)弱き人は当神社の神符をこの清水と一緒に拝飲すれば神威増し回復に向かうという。

又、初宮詣の子供の口につけ、長寿、無病息災を祈願する現今は特に遠来より参拝拝飲する人が多い。

ここの石のお猿さんに水をかけ願いをとなえれば叶えるという。
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神水
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創建

天平元年聖武天皇)729年この地に殿字を建て都の松尾大社の御分霊を祀り、国家安泰、五穀豊穣の勅願所として松尾明神を祀るを創始とする。その後、承和十一年(844年)慈覚大師唐より帰朝の際、国家安泰の為神水を得る時、土中より日吉宮の額を発見したことを朝廷に奏上す。時の仁明天皇、比叡の神威を感じ勅命を以て江州坂本日吉宮の御分神を合祀し、朝廷の祈願所とする。この地を仁明天皇の仁と比叡山の比山とで仁比山という。

 

式年大祭、大御田祭 御田舞

宮中での田楽を平安時代に伝えられたと思われる申年の四月初申より中申までの十三日間執り行われる式年大祭を大御田祭といy。鎌倉幕府までは勅使下向し盛大に執り行われていたが、以後肥前筑前筑後の三ヶ国の国造が交代でやる。藩政時代鍋島藩主、神殿、拝殿、その他奉寄進し保護される。大祭中神事として奉納される御田舞は慣習と伝統を守り、現在まで口伝として伝えられています。舞台二ヵ所、柱大きさ、数、床板の厚さ、床の高さ、階段、役者の員数年齢、役者決め、稽古始めなど総て慣習を守り引継いでいます。歌、舞は期間を過ぎたら一切やりません。門外不出です。昭和二十七年国の無形文化財指定されるが二十九年文化財改正により解除、現在佐賀県重要無形文化財第一号に指定されています。
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仁比山神社(山王さん)と社

 仁比山神社境内には蒼然たる老木、古木の大樹、針葉、広葉常緑樹、落葉樹等多種の樹々が繁り境内幽雅にして四季の風光に富み、境内は右に左に曲がり百余段の石段を登り、一歩一歩と神前へと近づくことで身を清め、新たな清き心で俗界の邪念を一掃し、神前に健康を感謝し、素直な心で手を合わせ、家内安全、交通安全、病気平癒、或いは五穀豊作と健康を念じられるのが、仁比山神社です。

社殿の裏より湧く清水は病弱な人には特に神威があります。

境内の樹木は生成の中で四季を通し光合成を行い、酸素を地上に供給し殺菌作用と人体に生気と活力をもたらす「フィトンチット」を放出しています。(発散されるテルペン物質)

春の若葉、夏の青葉、秋の紅葉は美しく気持ちが落ち着くものです。秋から冬にかけての落葉の香りは、窒素、リン酸、カリ等の栄養分の存在を示しフィトンチットを足もとより浴びることで、昔から身体に良いと言われています。

紅葉狩りは夏バテの回復法で古人の知恵ともいえます。

 ストレスによる半健康状態の人、体調のすぐれない人、或いは健康な人達でも、神前で健康への感謝の祈願の手を合わせ、境内を散策してフィトンチットを体内に取り入れ、血液の浄化を計り細胞を若返らせ、集中力を養い、末梢神経を刺激することで、ストレスも解消し、脳をリフレッシュさせ、香ばしい空気を吸い吹く風の音に身をまかせ、小鳥や虫の音に耳を傾けられるのが、この仁比山神社の社であります。

 現在、地球的規模で緑の危機が叫ばれていますが、原因を作り、悲鳴を上げ苦しむのは我々人間です。

これ以上の破壊は、人類・生物の滅亡です。みんなで緑を守り、社を育成し、四季を楽しみ愛しましょう。
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拝殿
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本殿

 

神社名 仁比山神社
住所 佐賀県神埼市神埼町的1692
TEL 0952-53-0340
御祭神 大山咋命日本武尊
創建年 729年
社格 県社
建築様式  
駐車場  
御朱印