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【福岡県福津市】手光波切不動古墳

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手光波切不動古墳

 

古墳の概要

 直径25m(推定)、墳丘高さ9mの円墳です。埋葬施設は横穴式石室で、奥行10.8m、玄室高さ2mです。床石を備え玄室奥の幅が狭まる石室構造は、九州では通常みられないものです。他地域の石室と比較検討した結果、畿内大阪府など)の有力者の古墳に採用された横口式石槨という埋葬施設の影響を受けたと考えられます。

 玄室奥に祭壇があり、石造の不動尊が祭られています。「筑前国風土記拾遺」に、江戸時代の終り頃、石室の中に不動尊を安置したことが記されています。

 

古墳の年代

 2012年の発掘調査で、石室から南に延びる墓道が見つかりました。石室や墓道から輪鐙、轡、金銀装辻金具、金銅鞍金具片、銅鋲、鉄鏃、刀、鉄釘、鎹、ガラス小玉、新羅土器、須恵器が出土しました。釘と鎹は木棺に用いたと考えられます。また、須恵器の器台は、沖ノ島祭祀遺跡出土の土器に類似します。出土遺物の推定年代から、古墳の築造年代は7世紀前半と考えられます。

 

石室の石材

 石室の石材は大部分が玄武岩で、天然で板状のものを利用しています。個々の重量は約0・5~7tと推定できます。岩石学的調査の結果、これらの玄武岩石材は沖合10㎞にある相島(新宮町)から運んできたことがわかっています。
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石室入口
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