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【福岡県福津市】冠地域史跡

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冠地域史跡案内

 

冠地域は、自然や歴史・文化などから、福津三十六景に選ばれた冠山や熊野神社を祀る史跡の郷です。標高164mの頂上は、戦国城趾の防衛上の「堀切跡」や城跡(100㎡)が偲ばれます。

また、ここにあった大松跡(み標べの松)は、福津の海を利用する船の安全航路の標識として重要な役割を担っていた名残をのこしています。冠山頂からの眺めは(東)宗像・(西)福津の海辺が広がります。登山道は整備され、安全のためのロープも張られています。

なお、この地域の人は、熊野神社開山の泰見法師がこの山で「入定」されたことから、弥勒山と呼んで祀っています。

熊野神社の古木:泰見法師が祈願し立てられた錫杖が葉を生じた「神木・なぎ」と2本の大銀杏があります。この神社の周辺は熊野古道を思わせる森林に囲まれています。
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宗像四国西部霊場 77番
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開基年代は不詳ですが、鎌倉時代当地氏神熊野神社建立の頃より現在地に祭られていたとの言伝えが残っています。

敬神の念厚かりし、宗像大社宮司宗像氏実卿、熊野神社参拝の折、見事なふじの花に馬を留め『こまがへきしげる藤波よる年の』と上の句をよまれ下の句をお供の者に求められた時、御室の内より世も永かれと、花の冠ぞ』との声あり、それから宗像家の信仰が一層厚かったとの言伝えがあります。

其の後、歌の仏が『うっとう』仏となり耳の病に霊験ありとて祭壇の火吹竹を奉納する習わしが現在もつづいています。

巨大な藤もよる年波と度々の台風で損傷がひどく枯死寸前の状態となったので、此の度、福間町の御援助により境内地の災害復旧とふじ棚の新設工事が完成しました。
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宗像四国西部霊場 番外 地蔵堂