【福岡市東区】宮前古墳
宮前古墳
この古墳は西暦6世紀末につくられた墓と推定されていますので、今から約千四百年前に築造された横穴式古墳であります。
昭和四十五年、高美台団地造成に先立って福岡市教育委員会文化課の手で発掘の結果、古墳内部に残された遺物などから武人の墓と想像され、馬具、直刀、黒曜石の矢じりの一部の外、金環、土器の出土品及びガラス玉、水晶の切子玉など三十八個が発見されました。
この大神神社の境内地の造成前の地番は、福岡市東区上和白宮前といい、唯今は、東区高美台二丁目と改称されましたが、更に尚団地内には、登り窯、古代製鉄所趾、古墳八基も発見されたことから「大和の将兵の駐留の折、大和の国一の宮、大神神社からの勧請」云々の大神神社の御由緒から、主々とよみがえり来る心地して、古代史探求の重要性をしみしみと感じ入る次第であります。
宮前古墳群1号墳
宮前古墳群3号墳
高美台地区には猿の塚古墳、高見古墳群、宮前古墳群の9基の古墳が知られていましたが、団地の造成で消滅し、現存するのは3基の円墳からなる宮前古墳群だけになっています。
6世紀の終り頃(古墳時代)に造られた3号墳は、とくに築造当時に近い姿をとどめています。墳丘の径は約10m、埋葬施設は長さ7.3mの横穴式石室です。昭和45年の調査で石室内から須恵器、土師器、ガラス玉が出土しました。また、中国製の白磁碗も出土していることから、中世にも墓として使われたようです。
2号墳は調査後埋め戻し保存されていますが、大神神社西側の1号墳は石室を見学することが出来ます。
これらは、東区内に残っている数少ない古墳群のひとつです。大切に保存して後世に伝えていきましょう。
3号墳
古墳名 | 宮前古墳群 |
住所 | 福岡県福岡市東区高美台2丁目24 |
築造年代 | 6世紀末 |
型式 | 円墳 |
大きさ | 墳丘径約10m、埋葬施設7.3m(3号墳) |
石室 | 横穴式石室 |
駐車場 | 無 |
備考 | 大神神社境内 |