【鹿児島県曽於市】通山の六地蔵塔
通山の六地蔵塔
明暦元年(1655)庚申講衆によって建てられたものである。
塔高202㎝で、基檀に返り花、中台には蓮弁を刻出しており、笠石・龕部・中台・■身・基檀は六角形で当地方に普遍的な形である。
龕部の正面(東向き)に「イー」があり、右回り(時計回り)に「イカイイイー」と各地蔵の種子が刻出されている。
■身の正面(東向き)に塔婆種子の発心門「キャカラハア」が刻出され、種子を挟んで「明暦元乙未年」と「二月四日結衆敬白」とある。また向かって右面に「依庚申功力造立之」、左面に「現世安穏後生善所」とある。
また、正面から右回りに、修行門「キャーカーラーハーアー」・菩提門「ケンカンランバンアン」・涅槃門「キクカクラクバクアク」の塔婆種子が刻出されている。
基檀には、■■利兵衛・脇田善吉など造立者ら十数名が刻出されているのであろうが、摩滅して判読できない。
なお、地蔵の各種子が、どの道を表しているかは諸説があり、一定しないという。龕部六道の地蔵を種子によって刻出している例は曽於市内には一例だけで、大変貴重な史跡である。
平成三十年十一月六日、現在地に移設された。
なお、六地蔵塔の隣には、石坂牛之介(高城の出身で、藩の役人とも、修験者ともいう)の墓があり、火の神として通山地区を見守っている。
明暦元年(1655)、庚申講衆によって建てられた六地蔵塔。龕部六道の地蔵を全て種子(仏尊を梵字一字で表したもの)で刻出している例は、曽於市内では非常に珍しく貴重な史跡である。通山公民館敷地内にあり。
通山公民館敷地内にある